(アキラ:タクトMED後)





神なき世界の、一つが消えた。








残された世界は、与えられた世界を享受しはじめた。
世界を守る機関は、その業務を少しずつ、少しずつ…縮小していく。










ゼクスは、解散した。
ティーチャーによって救われたタクトは、彼女とともに今旅をしている。
他の皆も、思い思いの場所へと向かった。








「そんなに寝ていたら、風邪を引くよ、
「カズキ、もう少し…」






ボク達は、演奏会を開きながら全国をまわっている。
病院や、幼稚園、聴いてくれる全ての人に、音楽を届ける旅。






リュウキュウは、ボク達にはあたたかすぎて
心が、いつまでも、いたい。














リッケンはもう無邪気に笑うことはなく
レスポールも、彼女に悪戯を仕掛けることはない。








リュウキュウの景色は、彼らの不在を訴える。
それに、耐えられなかった。








「綺麗なブルーだね」
「うん」






なるほど、彼女の横で寝てみると空は青と白であふれている。
なるべくゼクスと関わらないようにと過ごしていた彼女に一番近かった、彼の色。
時間が経てば、歌を好んだ、彼の色。








浸食の影響を一番受けていた僕や、彼と仲良くしていた彼女にとって
救われた世界は、少しだけ、悲しい色をしていた。
勿論、全てを望んだってゲットできないものがあるって、僕たちは知っていたけれど…
それでも、お互いが生き残ったこの世界で、生きていく。








「カズキ、明日はどこへ行こうか」
「どこにだって、ミー達の音楽を聴いてくれる一般ピーポーはいるさ」
「思うまま、気の向くまま」
「二人で、ミュージックを奏でよう」








心に出来た隙間を、お互い埋めながら
ぬくもりを、分けながら
この世界で過ごしていく。








彼らが守ってくれた世界を、音楽で満たそう。






「ねぇ、、この世界がいつかミュージックで溢れた時は、ミーのお願い、聞いてくれるかな」
「そうね…考えておく…」










今は、残ったぬくもりを、ただ感じていよう。












残された








いつか、貴女に捧げる  。