すっかりスマイルを見せてくれなくなった彼女に
以前と同じように、笑いかける。




、またミーとセッションしようじゃないか!」
「しない」
「ホワット?どうしてだい…あんなにヒート&ビートな日々をフォーゲットしちゃったのかい?」






彼女があの日から笑わなくなったということくらい知っている。
それでも、音楽を通してまた彼女が笑ってくれる日が来ると
ミーが信じずに誰が信じるっていう話さ。
ミーとミューミューはを信じてる。






「…カズキの演奏を聴くだけで、私は十分」
「ハッピー?」
「………」




黙って、頷く。
ああ、あの頃と言ってることは変わらないのに。






「貴女にその生き方は似合わないよ、
「同じだよ、君と同じ様に、普通に生きることを忘れてしまっただけ」
「……」




(僕は忘れたんじゃない、怖くて、音を塗り重ねているだけだ)
(同じと言うのなら、貴女も無感情を塗り重ねているということ)




心の内で叫べど、口に出して言えない僕の弱さを知っている。
いつもサイドで見ていてくれたのは貴女だったから…当然のことだよね。






「もう、忘れなさい」
「お断りだよ!!ミーは諦めないよ!!」
「きっと、忘れる日が来る。それ以上の喜びを以て、ね」




少しだけ、彼女の瞳の中で感情が揺らいだけど、すぐに凪に戻る。
たとえ世界がゼクスの代で平和になったとしても、貴女が笑えない世界なんて、ミーが笑えない。
この気持ちは「恋」なのか「愛」なのか。はたまた「意地」なのか。
今はどれでも良い。どれでもいいから、貴女を救いたい。










いつか貴女のヒーローに。








なれた時に、感情が「何」か分かれば、万々歳さ。